バイオテクノロジーとボタニカルをブレンドした
新しいメンズフレグランスは「H24」
人気のフレグランスになるには、それなりに香りの調合などに時間がかかります。例えば1977年発売されたイブ・サンローランのフレグランス「オピウム」はスパイスと花の香り、ムスクとパチョリの香りに圧倒する調合によって、瞬く間にブランドを代表するフレグランスとなりました。しかし、現代人にとって、「オピウム」フレグランスはイブ・サンローランのオリジナルな香りであり、そのため常に現代の好みに合うように改良を重ねてきています。
また90年代に食べる香りとして発売した「グルマン」フレグランスは、今までには考えられなかった、バニラ、キャラメルや蜂蜜を調合しました。当時、砂糖やスナック菓子の消費が増加している時代に合ったフレグランスを出すことで、時代を反映する人気フレグランスになりました。
すべてのフレグランスはその時代や環境に対応する必要がある商品です。その点を考慮してエルメスは最新のフレグランス「H24」を完成させました。
エルメスは15年ぶりのメンズフレグランスを出すためには、時代を超えた香りを作らなければなりませんでした。ブランドのイメージする香りで定番となるためにH24は革新的でモダンな香りを実現する必要がありました。
インスピレーションを得るため、エルメスのメンズユニバースのディレクターの仕事内容に目を向けます。そこでは自然とテクノロジーがどのようにして美しさを生み出せるか研究をしていました。ファッションは生地の感触と、技術的な融合によって作用することでスタイリッシュな服が作ることができます。
フレグランスH24の開発に、天然の植物成分と科学的に作られた香りの分子を調合することでフレグランスへと変えていきました。クラシックな原材料を使い、テクノロジー技術によって生まれ変わる作業を成功させたのです。
H24の主な成分はセージで、刈り取れたばかりの草の香りと、動物的な琥珀色のベースが特徴になっています。そしてフランスの山中に自生するヒガンバナ科のナルシサスを加え、自然で爽やかななフローラルで、香りのシャープさを和らげるシークレット分子と一緒に調合しています。
H24のもう一つの構成されたのはローズウッドエッセンスで、これまでは非論理的な収穫を行なっていたため、香水業界では禁止されていた香りです。シンプルで自然な植物のフレッシュな香りを、エルメスはペルーの生産者からローズウッドを調達することができました。
そして印象的な要素は「未来の分子」です。スクラレンと呼ばれるこの合成分子は、エルメスの工房でアイロンを布にあてるときに香りにインスパイアされたものです。研究開発されたこの分子を入れることで、エッジの効いた金属のような独特さを出すことができました。
エルメスのフレグランス「H24」自然と人工の調合、時代を超越した傑作フレグランスになることは間違いありません。
(Wallpaperより抜粋記事)